循環器内科

診療・各部門

内科外来表担当医表はこちら

診療概要・特徴

 近年、我々を脅かす急性の心臓病(急性心筋梗塞、急性心不全、不整脈など)、また生活習慣悪化により発病する狭心症や末梢動脈疾患などの動脈硬化による病気は増加する傾向にあり、これらに対し速やかに対応し確実に診療を提供できることが地域医療の現場に求められております。この度、当院循環器病センターは、新病院第一期工事竣工後から最新の医療設備により専門的医療を提供できる環境に恵まれました。冠動脈CT検査により狭心症などの動脈硬化性疾患の早期診断が可能となったばかりでなく、心臓カテーテル検査、経皮的冠動脈形成術(心臓カテーテル治療)、ペースメーカー植え込み手術などの専門的医療が提供できるようになりました。さらに、集中治療室(ICU/CCU)の本格稼働と循環器内科専門医の増員による医療スタッフ充実が得られ、夜間休日などの時間外診療にも力を入れています。
尚、関連機関である東京女子医科大学病院など高度専門医療機関との密接な連携により、患者様により良い医療の提供ができるよう対応させていただくことも可能です。恵まれた医療環境を最大限に生かし、急性期疾患を中心とした循環器内科診療を患者様皆さまに提供し、相模原市の地域医療発展へ貢献できるよう全力で努める所存です。なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。

0180.JPG

診療内容

病気は各個人によってさまざまな症状があり、標準的な治療法も異なる場合があります。
以下は当院が行う一般的な治療の説明であることをご了承願います。

虚血性心疾患

心臓の栄養血管である冠動脈が動脈硬化により血流が悪くなり、心臓の筋肉への血液が途絶えること(虚血)で生じる疾患です。動脈硬化による狭窄(きょうさく=冠動脈が狭くなること)があるかどうか、血栓(血のかたまり)が詰まっているかどうかで、病気の重症度が変わります。動脈硬化が軽くても、冠動脈に攣縮という血管のけいれんが起きることで胸痛が出現することもあります。
●主な病気
急性心筋梗塞、不安定狭心症、陳旧性心筋梗塞、狭心症など
●検査
心電図、運動負荷心電図(マスター)、ホルター心電図、心臓エコー検査、冠動脈造影CT、心臓カテーテル検査など
●治療
薬物療法、経皮的冠動脈形成術(心臓カテーテル治療:細い管を血管内に挿入し、狭くなった部分を拡げる手術)を行います。病気の状態によって、冠動脈バイパス術(詰まってしまった血管の代わりに新しい血管をつくること)を行うこともあります。尚、心臓外科手術に関しては、当科の関連施設である東京女子医科大学病院をはじめとした高度専門医療機関へ紹介させていただいております。

不整脈

心臓は規則正しく収縮と拡張を繰り返して、ポンプのような働きで全身に血液を送り出しています。このような心臓の活動は、心臓で作り出される電気活動に よって成り立っています。この電気活動の乱れ(脈が速すぎる、脈が遅すぎる、脈のリズムが乱れる)を不整脈と呼びます。実際には色々なタイプの不整脈があ り、深刻な不整脈かそうでないのかの判定が重要です。当科では不整脈のタイプに応じた検査・治療・管理を行っています。
●主な病気
心室細動、心室頻拍、心房細動、心房粗動、上室性頻拍、房室ブロック、洞不全症候群、ブルガダ症候群、WPW症候群、QT延長症候群、期外収縮など
●症状
動悸(急に脈が速くなる、脈が乱れる、脈が飛ぶ)、息切れ、ふらつき等の症状が生じます。時に心不全や脳梗塞の原因となることや重症の不整脈では意識をなくすこともあります。また、全く症状が出ないことがあり、偶然心電図検査で指摘されることがあります。何が原因でどのくらい深刻な不整脈かは専門医師の診断が必要です。
●検査
心電図、運動負荷心電図(マスター)、ホルター心電図、心臓エコー検査、心臓電気生理検査(心臓カテーテルによる検査)
●治療
薬物療法(抗不整脈薬)や植え込み型ペースメーカーによる治療を行います。当科では、不整脈に対して植え込み型の器械(ペースメーカー)を使用した治療を行っています。ペースメーカー植え込みを受けた方は外来での1ヶ月~6ヶ月毎の定期検査が必要となります。

末梢血管疾患

主に下肢の動脈が動脈硬化により血流が悪くなり、歩行時の疼痛や安静時に冷感やしびれが出現し、チアノーゼ(紫色に色調変化する現象)を認めることもあります。
●主な病気
慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)など
●症状
ある一定の距離を歩いた時に、ふくらはぎなどの下肢に痛みが生じて歩行が困難になります(間欠性跛行)。腰椎の病気(腰椎脊柱管狭窄症)により歩行時の下肢痛に、しばしば似ていることがあります。
●検査
四肢の血圧測定(PWV/ABI)、末梢血管エコー、造影CT、MRI(MRA)、カテーテルによる血管造影検査
●治療
薬物治療、経皮的血管形成術(カテーテル治療:細い管を血管内に挿入し、狭くなった部分を拡げる手術)、外科的手術(バイパスグラフトなど)。尚、心臓外科手術に関しては、当科の関連施設である東京女子医科大学病院をはじめとした高度専門医療機関へ紹介させていただいております。

うっ血性心不全、その原因となる心臓病

うっ血性心不全とは、心臓の機能が低下したために、肺を循環する血液が停滞し、肺うっ血や胸水の貯留により呼吸困難となる状態、または全身に浮腫(むくみ)を呈するような状態です。これらは、心筋梗塞などの冠動脈疾が原因で発症する場合もありますが、その他に心臓の弁の働きが悪くなる病気(心臓弁膜症) や心筋が何らかの原因で障害され血液を体内に循環させるポンプ機能が低下してしまう病気(心筋症や心筋炎)、また、先天的に心臓の部屋を仕切る隔壁が不十分であるため、血液の流れに異常が出て心蔵のポンプ機能が低下する病気(先天性心疾患)などが原因となります。
●主な病気
急性心不全、慢性うっ血性心不全、虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症、先天性心疾患など
●症状
心臓の働きが不十分なため、さまざまな症状が起こります。息切れや呼吸困難が出現し、手足のむくみや日常活動の継続が困難となります。また、場合によっては無症状のため健康診断で心雑音を指摘されて初めて気がつくことがあります。
●検査
心電図、胸部レントゲン、心臓エコー、心臓カテーテル検査など
●治療
主に薬物治療が行われます。心不全の原因となる疾患によっては、心臓カテーテル治療や心臓外科手術が必要な場合があります。

大動脈疾患

●主な病気
急性大動脈解離、大動脈瘤など
●症状
動脈解離は正常だった動脈が突然裂ける疾患で、動脈解離は激しい胸背部痛の原因となり、急性心筋梗塞との鑑別が必要な場合があります。一方、大動脈の壁が拡張し破裂の危険をともなう動脈瘤は、破裂するまで症状が出ない場合がほとんどであり、健康診断等で偶然発見されることが少なくない疾患です。
●検査
CT、MRI(MRA)、カテーテルによる血管造影検査
●治療
主には外科的手術(人工血管置換手術など)が行われます。手術適応と判断された場合は、当科の関連施設である東京女子医科大学病院をはじめとした高度専門医療機関へ紹介させていただいております。

動脈硬化が心配な患者様へ

当院では、上記診療の他、血管年齢の推定や動脈硬化の危険度になどについても、外来診療で評価させていただいております。
※心臓病または動脈硬化が心配な方も、お気軽に御相談ください。
尚、紹介状のない場合でも、予約なしで診療させていただいております。診察受付時間内に御越し下さい。

【専門的な検査項目】

●運動負荷心電図(マスター)
●ホルター心電図
●PWV/ABI
●心臓エコー検査
●頚動脈エコー検査
●下肢動静脈エコー検査
●冠動脈造影CT
●大血管造影CT
●末梢動脈造影CT
●心臓カテーテル検査

スタッフ紹介

常勤医

氏 名 栗原 珠美(くりはら たまみ)
役 職 循環器内科医長
出身大学 関西医科大学(北里大学 大学院)
卒業年 平成21年(平成29年 医学博士取得)
専門分野 循環器内科一般、不整脈
専門医 日本内科学会認定内科専門医・指導医、日本循環器学会循環器専門医、日本不整脈心電学会不整脈専門医
所属学会 日本内科学会、日本循環器学会、日本不整脈心電学会
氏 名 大木 卓巳(おおき たくみ)
役 職 循環器内科医師
出身大学 北里大学
卒業年 平成26年(令和04年 医学博士取得)
専門分野 心不全
専門医 日本循環器学会循環器専門医、日本内科学会認定内科医
所属学会 日本内科学会、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本心不全学会
氏 名 朝倉 清史(あさくら きよし)
役 職 循環器内科医師
出身大学 北里大学
卒業年 平成27年(令和05年 医学博士取得)
専門分野 虚血性心疾患
専門医 日本循環器学会循環器専門医、日本内科学会認定内科医
所属学会 日本内科学会、日本循環器学会、日本心血管インターベンション治療学会